僥倖
仕事や交遊などの人づきあいを進める中で、
意見や見解の相違により、人間関係に大なり小なり、
難しさを覚えることがあるものです。
結果として疎遠になる関係もあれば、
人と人との間に相違があるのはあたりまえのことと捉え、
根気強く、ときにはしたたかに、ときには時間を置くことで、
互いの相違そのものに執着せず、難しさを越えていける関係もあります。
だからといって、必ずしも心の距離が近いともいえない場合もあり、
ご縁が続くということは、意志や情熱によるものとも言い切れぬ、不思議なものです。
でこぼこして曲がりくねった道のりの中で、
けして華やかでも刺激的でもないけれど、
ふと気づくとそこにある、人と人とのご縁に、
僥倖という言葉が浮かんできます。