心象風景

* 算命学による宿命鑑定 *

おひとりおひとりの心に寄り添い、一歩前へ進むためのエッセンスをお伝えしています

人間性の向上

 

人間性の向上について思い浮かんだことを、ゆるりと。

 

算命学では星の特徴、個性を活かし、運勢の安定を保つうえでさまざまな「改良法」があります。

あれこれ手を出さずに道や目的を一つに絞って邁進することを良しとする改良もあれば、

積み重ねや継続性を願わず、瞬間瞬間を精一杯生きることを良しとしたり、

世間で言う "あたりまえ" を求めず、普通とはいえない変わった環境で生きることを良しとしたり、

その方の星を活かすための策はさまざまあります。

放っておくと安定しづらい運勢のバランスを図るための改良法ですから、

残念ながら甘いお薬とはまいりません。

 

しかし「究極は人間性の向上、霊格の向上」であると折に触れて教えられました。

 

人間性の向上、と一口に言ってくれるなと思う方もいらっしゃるかもしれません。

その通りです。簡単なことではないのです。

それゆえ "究極は" と付けられているのです。

 

ではこの "究極" の前で、そのほかの改良法の意味が薄れるのか、対症療法的かといえば、

そういうことではないと私は思います。

改良法を取り入れて人生のバランスを図り、自分を知る。

その行程、積み重ねの中に、人間性の向上に結び付かせるための経験や気づきが

隠されていると思うのです。

運勢が安定した、人生が崩れなくて良かった、で終わる話ではないように感じます。

 

対人関係で星を活用する場合も似たようなことがあります。

たとえば、"苦手なあの人" の星を知ることは、対人関係をスムーズに進めるうえで

かなり役立ちます。

好きにならずとも、せめてストレスのない(小さい)関係にしたい場合、

星から相手の特徴を分析し、関係性に調和をもたらすにはまず自分自身がどのような行動や

言動を心がけたらよいかなどを探ることができます。

実際に行動を工夫し、実感を伴った効果が現れてくると安堵しますが、

その頃には、これでおしまい、という意識ではなくなってきます。

「とりあえずこんなふうに対応しておけば問題ないでしょ」という対症療法の視点から

一歩進んだ、"苦手なあの人" の受け留め方、視座を持てるようになってきます。

徐々に、"苦手なあの人" のあるがままを冷静に見つめられるようになってきます。

そして、それができるようになって一番幸せなのは、間違いなく自分自身でしょう。

 

人間性の向上とはどんなもので、どこを目指すべきか。

設定するのは自分です。

その核なる部分に触れるには、各々が行動に移し、実践し、経験を通じてこそ。

私が現時点で感じるのはやはり「七十而従心所欲不踰矩」です。

みんなとうまくやろうとかバランスを取ろうなどと考えて生きている動植物はなく、

熾烈な生存競争の結果、調和がとれているように見える大自然の姿とどこか重なるものがあります。